miteranの日記

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【ネタバレ】花井沢町公民館便りの時系列を考察・整理してみた(1)

 

花井沢町公民館便り、完結しましたねー。

SF的な設定と対照的な人々の日常の生活が描かれた本作品は、設定の重みを損なうことなくそこで生きる人々のどろどろした感情を映し出しています。絶望はてんこ盛り、時々、希望もあり。

 

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2055年。わたしたちの町・花井沢町は、あるシェルター技術の開発事故に巻き込まれ、外界から隔離されてしまいました。どこにも行けず、誰もやってこない。遠くない未来、いずれ滅びることが約束された町で、わたしたちは今日も普通に生きています。

 

コミックには花井沢町が隔離されてからの様子が、1話1話時系列がバラバラに収録されています。巻を飛び越えてつながるお話もありますし、隔離された小さな町の出来事なのでコミュニティが小さいため、時代をまたいで人と人との繋がりが出来るお話もあって、なかなか全体を把握するのが難しい作品です。

あっちこっち読み返したりメモを取りながらざっと整理してみました。疲れた。

 

 

時系列メモ(1)

【2055年5月14日〜15日】

カラオケに行く女子高生三人組、リホ、サワコ、サナ。花井沢町に住むリホは、家にいる小さな弟に出先から誕生日のメッセージを送る。オールで遊んで帰ろうとした朝方、「事故」が起こる。タイミング悪く花井沢を離れていたリホはもう二度と家には帰れない。 (3巻19号)

2号の主人公であるエマあいかの誕生年。

【2055年】

境界で政府の陰謀論を叫ぶちょっとイっちゃってるおじさん「許さないおじさん」。そのおじさんを諭して眺めたのはあいかの父である。あいか8ヶ月。事故からまだ間もないことが「きっと壁はすぐなくなる」というあいかの父の発言から分かる。(3巻15号)

【2058年】

花井沢町内に泥棒がいるのでは?という疑惑が起きる。自粛ムードもそろそろ終わりにしようとカレー祭りが開催される。カレー祭りの最中泥棒を捕まえるも、隔離された小さな町の中で犯人は村八分になってしまう。いたずら書きだらけの犯人の家を見て本当にこのやり方は正しかったのかと葛藤する主人公の少年。あいかの苗字が岡本であることが判明。(1巻3号)

【2070年】

エマあいかが中三なので事件から15年ほど経っていることが分かる。花井沢町の人々を元気づけるべく、アイドルグループMIS UNDERSTANDSのコンサートが開催されるも、「皆さんのつらいこと悲しいことに負けない姿勢 すばらしいなって ぼくらのほうが勇気もらっちゃうなって」などの発言に対し、「『勇気』とかあげてないのに勝手にもらわないでほしい」とシラける二人。 (1巻2号)

【2088年】

事故から33年経っていることが明示されている。このあたりから親は外の世界を知っているけど、その子供世代は生まれた時からずっと花井沢におり、いわゆる「内世代」が当たり前の世の中になっていく。おしゃれ大好きマン、タカはネットで「たべのすけ」を名乗る人気者。外に出られないため実際に服屋で買い物をしたことがないのがコンプレックスで、ネットでは花井沢民であることを隠している(都内の大学生だと嘘をついている)。30年前(3号)から始まったカレー祭りは今も続いており、手伝いに行ったらテレビ中継に映ってしまい、ネットのアカウントが炎上。(1巻5号)

【2138年】

カレー祭りのお知らせの張り紙に「第8?回」と書いてあることから、初回から少なくとも80年は経っていることがわかる。コバシさんという女性からのストーカー被害に怯える青年、春樹。自警団は春樹が男であることを理由にストーカーについて受け流してしまう。春樹は突然襲われ、それを目撃した春樹の母がコバシさんを殺してしまう。ストーカーや殺人と行った犯罪でさえも町の中で完結してしまう世界の恐ろしさに絶望する春樹。(1巻6号)

 

ここまでが、明示されていたり登場人物の年齢を計算することによって導き出されるはっきりとした時系列です。以下はいつ起きたかはわからないのですが、だいたい登場人物の若者はみんな生まれた時から外世代なのではないかという推測により、2100年〜のお話である可能性が高いです。

 

時期がはっきりしない出来事

【3巻16号】2055〜2060年くらいの話かも?? 事故当時の世代

パンツが盗まれるマッチョ。壁の外のお隣さんとバーベキュー。全然関係ないけどヤマシタ先生はパンツをひらがなで「ぱんつ」と表記することにこだわりがおありなのか??ヤマシタ先生の「ドントクライ、ガール♡」を彷彿とさせる隠し芸(物理)。

事件からそんなに時が経ってないと思ったのは、境界のすぐ近くに人が住んでいることと、話の雰囲気が重々しくないこと。境界付近が厳戒態勢でないことから、事件直後ではなく1〜2年経ったくらいかと予想する。

 

【1巻4号→2巻9号】事故時代の子供の世代?

 4号では小学生男子三人が、キスをしている百合カップルのエーコとさおちゃんを発見。なぜか一緒にヘビ退治をする。

11号ではエーコさおちゃんは25歳になり同棲している。当時二人とヘビ退治をした小学生の一人であるたけるは19歳に。徐々に人口が減少してゆく花井沢町。「生きがい」が欲しい、お母さんになってみたいと泣くさおちゃんに、エーコはある提案をする。

 

【2巻13号】事故時代の子供の世代?

エロいお姉さんが町内でエロい商売をしてるんじゃないかと勘違いしてワクワクしちゃう童貞二人組、リュータシンペイの話。花井沢町ってピザもマックも出前取れるらしいよ。どっちがリュータでどっちがシンペイかわからないのだが、そのうち一人が4号に出てくる小学生に顔が似ており、同一人物ではないかと思われる。そのため、たけるリュータ(シンペイ?)は同い年と考え、2巻9号と13号はほぼ同時期だと予想する。

 

【2巻12号】事故時代の孫の世代?

小説家、宮内鈴(センセー)は花井沢町内で図書館を経営する小説家。ある日文芸賞を受賞し、ネットを通じてその受賞スピーチをする。

センセーは2号の主人公エマの子孫。インタビュアーがセンセーのエッセイについて触れるが、「お祖母さまの持ち物だったアイドルの写真集をめぐる回では…」とあり、MIS UNDERSTANDSのファンであったエマのことを指す描写がある。(3巻書き下ろし「センセーとエマ」にて裏付けされている。)また、2号ではあいかエマに「エマ たまに言葉ババアだよね 本読みすぎじゃん」と言っており、エマの代から本好きの家系だったことがわかる。センセーの年齢を30歳、エマとセンセーの年齢差を60歳と仮定すると、この話は2145年の出来事である。

 

【2巻11号】事故時代の孫の世代?

 間宮香帆が外の世界の人からネットでパン作りを教わって、花井沢町にパン屋を開く。広場の慰霊碑の前で「祖父母の代からお参りは必ず」という女性が登場するため、12号とだいたい同時期ではないかと予想。

 

 

 以上が物語のだいたい3分の2くらいのまとめです。

このほかに希(花井沢町最後の一人)を軸にした話が数話ありますが長くなるので次の記事にまとめます。

希が出てくる時代の話は花井沢が荒れ果てており、「200年で滅亡する」と言われていたことから2255年前後の話になり、本記事のまとめからだいぶ時が経っていることが各話扉絵の公民館前の荒廃度によって分かります。

比べてみたところ、希が出てくる話と、それ以前の話では目に見えて荒れ方が違います。しかし本記事にまとめてある分は100年ほどにわたっていると予想できるにもかかわらず、公民館前の様子はほぼ変わらないので、そこから時期を判定することはできませんでした。

 

その2はこちら↓

【ネタバレ】花井沢町公民館便りの時系列を考察・整理してみた(2) - miteranの日記

 

 他にも色々考察してます↓

君の名は。を二回見て気づいたこととか - miteranの日記

 

花井沢町公民館便り(3)<完> (アフタヌーンKC)

花井沢町公民館便り(3)<完> (アフタヌーンKC)